1984年に公開されたアメリカ映画。クリスマスに贈られた珍しいペットの飼育方法に
まつわる騒動を描いたSFブラックコメディ。
1984年に公開された洋画はバラエティに富んだ名作揃いでした。「ターミネータ
ー」に「ゴーストバスターズ」「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」「ネバーエンデ
ィング・ストーリー」や「アマデウス」等など、大豊作の年でした。
そんな年の締めとして12月に公開されたのがスピルバーグ製作総指揮の「グレムリ
ン」です。映画の内容自体もクリスマスを舞台にしたお話で、子供のクリスマスプレ
ゼントとして買われたモグワイの3つのルールをうっかり破ってしまった事で巻き起
こる大騒動が描かれました。
まぁとにかくこのギズモと名付けられたモグワイがとにかく可愛くて動物好きの心を
鷲掴みにした事は間違いありません。当然CGなど無い時代のパペットを使った存在感
や毛並みや仕草のぎこちなさがギズモにピタリとはまっていました。
それでいて歌を歌ったり、オモチャの車を運転したりという細かなアクションも披露
していましたね。分裂してグレムリンに変身してしまった仲間を見て怖がっている表
情が強く印象に残っています。
「光に当ててはいけない」「水をかけたり、濡らしてはいけない」「12時過ぎに食べ
物を与えてはいけない」というルールを破ってしまい、遂に狂暴化してしまったグレ
ムリンも今観ると意外に愛嬌があって可愛く見えるのは年齢のせいでしょうか(笑)
発明家のお父さんの面白グッズの数々が良かったですね~、フィービー・ケイツも可
愛かったし、ワンコもグレムリンにいじめられていたけど大活躍でした。そうそう
まだ少年だったコリー・フェルドマンも出演してましたね。
他にも製作総指揮のスピルバーグまでもが、お父さんの展示会シーンで謎のマシーン
に乗った姿でチラリとカメオ出演までされておられましたね。(画面手前のお方)
映画を作っている側も遊び心があって、その雰囲気も作品に反映されている楽しさ。
エンタメ映画でありながら、社会、自然の調和とルールを破る人間を痛烈に皮肉った
ブラックな面を持ち合わせた作品で、グレムリンが何を象徴しているかを人それぞれ
考えさせられる作品でもあります。
この映画をハッピーなものにしている要素の一つがジェリー・ゴールドスミスのこち
らの音楽、曲自体がもう楽しくって、聞いているだけで映画の場面が蘇って来ます。
沢山のクリスマス映画がありますが、楽しくて可愛くてワクワクドキドキ、おまけに
恋愛要素まで詰まった幕の内状態の作品という事で、最強のクリスマス映画
ではないでしょうか。