賃貸バブルの実態

 よく見かけて知っていた家が賃貸アパートを建て替えた。

 

 

 アパート6室を2部屋にし、二階のデタッチ型メゾネットタイプにした。
 
 
 豪華なものだ。
 それに入居があったのは建て替えてからすぐのこと。
 今は入居者はいないままだ。


 あれは営業に騙されたクチだろう。
 
 「建て替えをしたらどうか。今なら賃貸収入が高い」
 「2年はムリだが1年ぐらいなら入居者を保証する。」
 


と。
 
 それからあっと言う間に1年。
 
見事に入居者はつかなくなった。
 今は二室ともカラだ。
 
 直後に通りかかった時、すぐに入居したのは自営らしいエアコンの取り付け業者だった。
 立派な玄関ポーチに、それこそ似つかわしくないほど乱雑にどっさりと資材が積みあがっていた。
 彼らの景気はいいのだろう。
 
 


 しかしああいう自営業というのはそんな生活はしない。
 毎日が日銭で需要との戦いなのだから、そんな身の回りだの住居に気を使っているヒマなどないのだ。稼げる時にできるだけ稼ぐ。よくわかる。
 
 それがよくもまああんな高そうなアパートにと思っていたら案の定だった。
 


 きっとハウスメーカーもいくらか出したのだろう。
 それでもお釣りが来るのだろう。
 
 旺盛な建設需要で値引きはない。値引きがないのなら今が売り時だ。
 なぜかわざわざこの人手不足の時にみながみなとせっせと建て替えている。
 いくらでも買い手のつかないままの空き地、空家があるというのに。
 お見事。
 
 
 今は景気がとてもいい。
 だから、逆説的だがアパートなどは安くてボロでいい。
 
 賃貸需要が逼迫しているとかオフィスが逼迫しているなどと言ってもそれは一部の話だ。
 アナリストが言った。「オフィス空き室率は最低だ、これからは賃料が上がる」いやいや。需要があって取り合いになるから上がるのだ。そっちの話はどうした。(笑)
 
 景気がいいと人は楽しむためにカネを使う。忙しいから細かいことには構ってられない。
 特に都市部なら風呂なしでもいいぐらい。風呂はスポクラに行く。サウナ付きだ。
 安いボロアパートで駅至便、最高だ。
 恋人との時間はホテルがある。
 そういう生活を若い連中はできる。なにしろ世の中は景気がいいから。
 
 「今はストックを食い潰すサイクルではない。」
 
 
 それが分からないとこんなことに引っかかってしまう。
 
 あとよくて十年か。
 

 

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