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大分、観られた方もいらっしゃると思うので、雑感。

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ポスターのコピー

「こんな風に、生きられたら」に、

やはり違和感を感じる。

(Wim Wendersが、インタビューでそう答えたらしいが)

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私は、欲深いのか、

「それは、ほんとに、そう思ってる?」と聞きたくなる。

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この生活を、自覚的に選んだのか、

それとも、

何かを諦めることで選んだのか???

(でも、仕事は熱心で、働き者)

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諦めることは、大事だ。

自分の可能性が、

そこから始まることも、あるから。

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主人公は、毎朝、

高速道路を渡って、川向うの仕事場へ向かう。

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ふいに訪れてきた姪っ子は、

川向うから、やってきた。

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川向うは、彼にとっては、仕事場だ。

いわば、オフィシャルな場所。

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そして、帰ってくるこちら側は、

寝食をする、プライベートな場所。

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姪っ子は、一時的な避難所として

川向うからやってきた。

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こちら側は、異世界なのだ。

異世界には、長くはいられない。

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別世界に移動することで、

新たな視点をみつけて、

もとの世界へ帰っていく、つかの間の時間。

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川向うとこちら側を結ぶ橋の上で、

主人公と姪っ子は、

自転車に乗りながら、

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「♬今度は、こんど。

 今は、いま~♪」

と歌いながら、川を渡る。

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主人公は、明日も続く、

毎日同じような生活を送りながらも、

実は、「今」しかないのだ。

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同じように見えて、

実は同じものは二度と撮れない、

木漏れ日の写真と同じく、

私たちの日常は、

少しづつ、変わっていく。

私たちは、ほんとは、

明日は、どうなるかわからないのだ。

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毎日、あちら側とこちら側を行き来しながらも、

川は、ひとつの海へとつながっている。

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いずれにせよ、

最期に到達する場所は、

ひとつなのかもしれない。

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姪っ子のニコちゃんが、

諦めずに、

自分の道を見つけて、幸せになると、いいな。

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でも、やっぱり、

役所広司の、最後の表情だね。

*英語版ポスターのコピー?は、

A poem of extraordinary subtlety and beauty.なのね。

 

情報空間操作や、

エニアグラムの知識などをつかった

セッションを行っています。
https://ws.formzu.net/sfgen/S390704502/