京都伏見にもあった木造の大仏:伏見大仏

伏見大仏

伏見大仏は、京都市伏見区の欣浄寺にある江戸時代につくられた大仏です。
この欣浄寺は曹洞宗の寺院で、鎌倉時代に道元禅師が創建したと伝えられ、境内に「墨染井」と呼ばれる井戸があることで知られます。
大仏は本堂の内部に安置されており、高さ5.3メートルで、木造のものとしては国内でも最大級といわれます。
この大仏は文殊九助ら伏見の町衆が伏見奉行・小堀政方の悪政を幕府に直訴した天明伏見騒動の際の犠牲者を供養するものともいわれています。

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伏見大仏のアクセス方法

伏見大仏は、京都市伏見区西桝屋町1038にあります。
公共交通機関を使う場合、京阪電車「墨染駅」で下車し、墨染通りを西へ徒歩5分ほどです。
車の場合、名神高速道路「京都南インター」で降りて5分です。
表門は通常は閉まっており、裏の駐車場から境内に入ります

伏見大仏の拝観について

伏見大仏は通常は本堂に鍵がかけられていてガラス戸越しにしか拝観することができませんので、事前に予約をしておく必要があります。
ただし、毎春3月終わりから4月ごろの桜まつりの際には自由に拝観することができます

伏見大仏の由緒について

欣浄寺や伏見大仏のいわれについて、境内の案内板には次のように書かれています。

欣浄寺
清涼山と号する曹洞宗の寺院である。
寺伝によれば寛喜二年(一二三〇)から天福元年(一二三三)まで道元禅師がこの地で教化に努め、当寺を創建したといわれている。当初、真言宗であったが応仁の乱(一四六七)後曹洞宗となり、天正文禄(一五七三~九二)の頃、僧告厭が中興し浄土宗に改められ、さらに文化年間(一八〇四~一八)にもとの曹洞宗に改宗した。
本堂には俗に「伏見の大仏」と呼ばれる丈六の毘盧遮那仏をはじめ、阿弥陀如来像、道元禅師石像などを安置している。
また当地は昔深草少将の屋敷があったところと伝えられ、池の東の陰の道は「少将の通い道」と呼ばれ、訴訟のある者はこの道を通ると願いが叶わないといわれている。
なお、池の畔には少将と小野小町の塚と「墨染井」と呼ばれる井戸がある。
京都市