陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

字が上手い人はやはり得をする

2024-04-23 | 教育・資格・学問・子ども

あるネットニュースサイトで以前、首相経験者および野党代表の記名が晒されたことがありました。
顔に似合わず(失礼)麻生太郎現財務相の字はかなりの達筆。そして社民党代表だった福島瑞穂氏の字はすこし稚拙な感じでした。麻生氏といえば、学習障害で漢字を読み間違えマスコミに叩かれたことがありますが、字だけみればやはり育ちの良さが伺えます。

私は字はどちらかと言えばきれいと言われてきたほう。
だからといって書道が得意だったわけでもなく、硬筆でわかりやすく大きく書いていただけ。それでも、普段の自分用のメモやらは雑で、あとから自分でも読めないくらい。もちろん人前に出す書類や連絡メモではいい加減には書きません。とくに契約書の署名なんかは、書きなれた自分の住所氏名でも緊張するぐらい慎重に。試験でも乱暴に字を書いたら減点されるわけなんだから、ていねいな字を書くのは大人として当然です。

字の上手さと性格や知性は比例しているのでしょうか。
理系脳のひとは頭にパパっと浮かぶ数式を筆記する余裕がないため、ミミズがのたくったような字を書くのだとも。頭の回転があまりに早い人は、実は字が汚いとも。ほんとうでしょうか。

字は体を表すとはよく言ったもので、直筆を見れば人となりがわかるとも言われています。留めはねをしっかりし、正方形のマスにおさまるようにバランスよく書く。罫線がなくともまっすぐに、記入箇所からはみ出さないように収める。古い会社では履歴書を手書き指定だったりするらしいですが、やはり字から面接者の几帳面さや生真面目さ、粘り強さ、他人への配慮などを見抜いているのでしょうね。

ある仕事先で意気投合した女性の友人は、外見はかなり派手め。
お喋り好きで明るく一見するとかなり軽い感じに見えます。けれども、字を見たらかなり美しい。冗談も言うけれど、お金のケジメはあり、一緒にいて不快ではないタイプ。ちゃらんぽらんに見えて、実はしっかり経理のお仕事をしてきた姉御肌。いまでも誘われて食事に行きます。その人は大卒じゃないけれども、本をよく読むし、社会問題などにもきちんと意見が言えるし、お互いを叩きあわない。

そのいっぽう、きちんとしたスーツを着ておしゃれな感じなのに、字が信じられない程子どもっぽい方がいました。
実際、話してみたらものの見方が浅かったり、見栄を張っていたり、約束をいきなり反故にしたり、ギャンブル好きだったとか、職業を偽っていたとか。すぐに縁を切りました。差別してはいけないけれども、偏差値の低い学校出の方で。やはり教育や躾の違いを感じざるを得ないんです。お金で買えそうな見かけだけ繕って、ネットで拾ったような知識を披露してくれたり、教養ぶっているんだけど、どこかボロが出る。内心、弁の立つ女の人を見下している感じがしたからです。私は基本、品がない方だなと思っても話は合わせるようにしていますし、相手も無理をしているのでしょうが、話の噛み合わなさで疲れてくるので、疎遠になります。私自身、下品なジョークを飛ばしてしまうのも悪いのでしょうが。

これはブログでもSNSでもそうなんでしょうね。
ネット上はひとしなみ同じ字体なのですけど、なんとなく、この人は流麗で整った字を書きそうだなとか、見えてきそうなときがあります。偏見かもしれませんが。

字の上手さに想い馳せたのは、私の亡き父がかなりの達筆だったからです。
商業高校卒の一介の商売人でしたが、東京のサラリーマン時代は大手企業にも営業に出かけていたので、道理がわかる人でした。母の方がお嬢さま学校出なのに、字はなぜか、父のほうが上手くて、母方の祖父に気に入られたそうです。確かに私の父は亡くなったあとも敵がいなくて悪口を言われず、商売で苦労をしたけれども、お金の迷惑を誰かにかけたこともなかったのです。

昔の人のほうが字が上手なのは、そこに生き様が現れるので、みっともない字を書き残すのを恥とする文化があったからではないでしょうか。
字をだらしなく書くようになったら終わりだと思っているので、契約書サインの前には、定期的に字の練習をしています。

(2021/08/18)


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